若手で超ゆるい消毒照度区ショウドク抄読会を行うという話が出ております。
抄読会というのは常に一発変換されないのでいちいち「智恵子抄」などと入れるのが難儀です。 

前の職場でも「草の根抄読会」という若手抄読会をしていたのが懐かしいです。
研修医の時から抄読会や勉強会を立ち上げては失敗した経験上、若手が自発的に立ち上げて続けるコツは2つあると思っています。

一、コアメンバーとして2人以上で立ち上げること
  一人で立ち上げ=立ち消え必須。責任持って運営して毎回出席できる人を自分以外にもう一人は確保すること。3人いるとなお良い。増えすぎると責任感が分散するから2、3人がベスト。

二、やみくもに批判する人や攻撃的な人にはちょっとどいておいてもらうこと
  学会じゃないんだからそんなところで攻撃しても百害あって一利なしだと思っています。恐怖と萎縮は、自由な発想の最大の敵だ!やだカッコいい!!

これさえ守れば8割は続くのではないかと思っております。

最近また中島先生が興味深い論文を教えてくださいました。
The Complexities of Evaluating the Exposome in Psychiatry: A Data-Driven Illustration of Challenges and Some Propositions for Amendments

Schizophrenia Bulletin August 2018 


Exposomeって初めて聞きましたが、 みなさまご存知でしょうか。

「個体に対する環境からの曝露」を、こう呼ぶそうです。

一般的に環境要因は2種類に分けられるらしい。

・General external environment:気候、人間関係、都会か田舎か、など
  
・Specific external environment:食べ物、タバコ、麻薬、運動、など

これらが関与して、Internal environmentに影響を与えたり、
個人の疾患発症リスクを上げたりするということ。

もともと免疫系の話題から発症したらしいですが、精神疾患でも重要だ!と言われ始めたということのようです。論文では、Netherlands Mental Health Survey and Incidence Study-2 というデータセットを使って、リスクファクターと精神病症状に関する、プレ解析のようなことをしていました。
今までもcannabisと精神病症状はかなり関係が深いということは言われていますが、この論文でも綺麗な相関図を出しつつ、いろいろな解析モデルを試して15%しか有意に相関しなかったと正直な記載。
提言がメインのこの論文ですが、特に精神疾患では重要になる概念のような気がします。それこそ大麻、養育環境、移民、民族、仕事環境だってそうだし、疾患の発現や悪化にどう考えても影響しそう。

特に私が専門(※なんちゃって)にしつつある発達障害は、診断基準に「社会的コミュニケーションの障害」というのがメインで入っています。
本当は生物学的であってほしい診断基準なのに、すでに外部環境との相互作用という概念が大きく入っている状況。

外部の環境を定量化して解析して、予防・治療できたらさいこーだし、
そのぶん生物学的にアプローチしないといけないところがより明確になるかなと思っています!!

なんてことを本日の実験中に書きました。
実験お疲れ様でした。

 F.M