いよいよはじまりました抄読会・通称:ぐで会。
これから少しずつ紹介していきたいと思います。
今日のテーマはOrbitofrontal cortex:OFC
最近はAutismの社会的モチベーションに関わる部位としても注目を集めています!

私が読んだ論文は以下の通りです。
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Reduced orbitofrontal cortical volume is associated with interdependent self-construal. 
(Kitayama et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 2017 Jul 25)

相互協調的自己観が強い人ほど、OFCのgray matterが減少している

特に『物体イメージ』の認知スタイルが強い人で顕著
という結果が示されています。 


相互協調的自己観というのは初めて聞きました。
そもそも、文化的に2種類の自己観があると言われているそうです。

相互独立的自己観 independent self-construal

自己を他者から独立した存在として捉える

欧米で優勢

個人が自己主張することが重要

相互協調的自己観 interdependent self-construal

自己を他者との関係性のなかで捉える

東洋で優勢

周囲と調和することが重要、自己主張は慎まれる
 

というような感じらしいです。

この研究は、

・被験者:健常人135人
・質問紙:Self-construal scale & cognitive style
・画像:3.0-Tesla Siemens MRI

を取って、質問紙と画像の関係を見ているという結構シンプルなものです。

筆者曰く、OFCはself-interestと関わっていて、self-interestが下がることで他人を優先して関わるような態度になるという仮説を立てています。ただし、最初からOFCの体積が小さいのか、Self-interestの抑制を強制されるような文化的環境にいるからOFCが小さくなるかは、不明だとか。ちなみに頭頂葉や側頭葉の皮質厚は、欧米人の方がアジア人よりも大きいそうです。

うつ病だと逆にself-interestが上がってしまっていそうですよね。和田先生がこのへんは詳しく教えてくれるかもしれません。
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こんな感じで不定期にゆるくやる予定です。
次回のテーマもOFC!