抄読会のことを書こうと思ってブログを開けたら
野田先生が書いてくださっていたので
一気にブログの格調が高くなりました。 

この流れで先週の抄読会の記録をしたいと思います。

テーマはOrbitofrontal cortex (OFC) 2回目。 
OFC:眼窩前頭皮質は、
意思決定に重要な役割を果たしていると言われています。

今回、私が選んだ論文は
Attachment models affect brain responses in areas
related to emotions and empathy in nulliparous women.

Lenzi D, Trentini C, Pantano P, Macaluso E, Lenzi GL, Ammaniti M. Attachment
models affect brain responses in areas related to emotions and empathy in
nulliparous women. Hum Brain Mapp. 2013 Jun;34(6):1399-414. doi:
10.1002/hbm.21520. Epub 2012 Feb 22. PubMed PMID: 22359374.
という、愛着タイプとOFCの関わりについて見た論文です。

ざっくりいって
「愛着タイプの差によって、
感情刺激に対する脳活動に差があるか」
を見たようなものです。

大人の愛着のタイプは3種類、
安定型 (secure or autonomous) 約半分
求めに応じて助けを得られた環境
困った時には適切に助けを求める
回避型・愛着軽視型 (dismissing or detached)1/4
情緒的やりとりがほとんどない環境
助けを求めない
とらわれ型・不安型 (preoccupied or enmeshed) 1/4
不安定な環境、顔色を伺う
見捨てられ不安

に分かれると言われているようです。

このうち、安定型11名と回避型12名の人々に
子供の悲しそう・嬉しそうな写真を見せて
表情認知の際の脳活動をfMRIで撮像しています。

結果として、
回避型のタイプの人の方が、安定型の人に対して
感情刺激を提示された際、
辺縁系やミラーニューロン系の活動は上がっていたけれど
mOFCの活動は下がっていました。

回避型の人は感情の気づきに関連するmOFCが抑圧されているというこの論文。
愛着形成は脳の携帯や機能に影響すると言われて久しいですが、
生きる上で不可欠な「感情」にも大きな影響を及ぼすのですね。

F.M